第1話11/19<出発> → 第2話11/20<チュニス〜ケロアン> → 
第3話11/21<スベイトラ〜ガフサ> → 第4話11/21<ガフサ〜トゥズール> → 
第5話11/22<トゥズール〜ショット・エル・ジェリド〜ドゥーズ>  → 
第6話11/22<マトマタ> → 第7話11/23<エルジャム〜スース> → 
第8話11/24<カルタゴ〜チュニス> → 
第9話11/25<シディ・ブ・サイド> → 
第10話11/26<チュニス〜フランクフルト〜関空>
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第9話<シディ・ブ・サイド>
チュニジアの旅も最終日、地中海が近くなってきた。ここシディ・ブ・サイドは美観地区である。建物の外観は白とチュニジアン・ブルーしか使ってはいけないという条例が敷かれているようでいたるところ、白×ブルーの家や店でひしめきあっていた。
細い上り坂の両脇には、観光客向けの商店が並び、まるで清水寺の五条坂である。建物には興味があったが、そのスタンスには辟易とした。
が、小高いところから眺める地中海は格別である。もともと海が見たかった私は堪能した。夫はSONYのDVで撮影をしているので、どうしても遅れがちである。私が一人歩きを楽しんでいると、添乗員さんが「女の子の一人歩きはいけませんよ、そうでなくてもアナタはアラブ人好みの顔をしているから」と注意してくれた。添乗員さんにいわれるまでもなく、店の売り子や、メディナの側のカフェーで隣り合わせた人に、ナンパされていた私は心細くなり、夫の方をそっと振り返る。遙か彼方で、彼は猫か何かに気を取られ、熱心に撮影している風であった。
賑やかなところまでもどり、坂の頂上にあるカフェーでミントティーを飲む。甘くて、かすかに爽やかなミントの香りがして、地中海の風に似合っていた。少しハッピーな気分になり「ハネムーンなのね〜」とこの旅始めて実感する。
夫はというと、極上にリラックスしていて、油断したせいかアラブ顔になっていた。そう、ハネムーンといえば、ハネムーンなんだけど、新婚さん独特の甘い香りがしないせいか、ツアー仲間の大方が、私達二人を兄妹だと思っていたらしい。新婚旅行だというと、とても不思議な顔をされた。兄妹で結婚したとでも思ったのだろうか?
チュニジアの旅はこれまで。この後、空港に向かい帰路に就くのだが・・・。
■ミントティはベタ甘だったけど、海風に似合っていた。
■岬のレストラン。フリー旅行なら迷わず入ってます!