第1話11/19<出発> → 第2話11/20<チュニス〜ケロアン> →
第3話11/21<スベイトラ〜ガフサ> → 第4話11/21<ガフサ〜トゥズール> → 第5話11/22<トゥズール〜ショット・エル・ジェリド〜ドゥーズ> → 第6話11/22<マトマタ> → 第7話11/23<エルジャム〜スース> → 第8話11/24<カルタゴ〜チュニス> → 第9話11/25<シディ・ブ・サイド> → 第10話11/26<チュニス〜フランクフルト〜関空> |
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第3話<スベイトラ〜ガフサ> |
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スベイトラではローマ遺跡を見る。この辺からいよいよ観光疲れする。もともと遺跡やお寺(モスク)には興味がない上に、バスによる移動が苦痛で、食事がままならない状態になる。ローマ遺跡自体はそれほど楽しまなかったが、そこに至までの散歩道をとても気に入る。何もない大地に立つ遺跡に向かいひたすら歩く。歩くと外国にいるな、と実感する。やはり観光バスで移動していると、外国に来た実感が沸かないのだろう。歩くことで、風のにおいや踏みしめる大地に日本とは違う何かを感じる。同時にこの地のずっと先に日本という島があるのかと思うと、ちょっと感動する。体力的にも少し持ち直す。 ガフサにより、そこからはトゥズール(砂漠の中のオアシス)に直行する組と、4WDでタメルザという砂漠の渓谷を抜けて、トゥズール入りする組に分かれる。もちろん迷わずタメルザ経由を選ぶ。そして、このタメルザが私にとって一番印象深い場所となる。 ガフサを出てすぐに荒涼とした景色が続く。砂漠に入ったのだ。4WDはものすごい勢いで走るので、半分ジャンプするように砂の渓谷の中を走る。途中、大洪水で廃墟となった集落を見た。子供の頃にメキシコで見たインディヘナの住居にちょっと似た興味深い集落だった。何とも言えないデジャヴに襲われる。その先にはもう少し栄えた集落があり、半観光地化していた。水害で住めなくなった先の集落の人たちが移住したらしい。山の中のオアシスで、砂漠なのに河が流れていた。 そこの集落の村長(ほとんど酋長という趣だった)はとてもアミーゴな人物で、私は大いに気に入られ、頬にキスされたり肩を抱かれて観光どころではなかった。私は流ちょうなフランス語とアラビア語で彼と会話をした(正確には、フランス語っぽく発音した日本語というのが正しい。もちろん通じていないが、アミーゴの精神は共鳴し合ったらしい)。酋長と再会を約束し、集落を出る。ひと山越えたところはもうアルジェリア国境なのであった。 |
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■ローマ遺跡を修復する方々。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
■荒涼とした砂の渓谷に青い空が映えた。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
■洪水で廃墟となった集落。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||