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☆島旅2000秋(第3話=波照間「果てのうるまへ」)
<楽天屋>に別れを告げ、波照間に渡るRAC(琉球エアコミューター)便に乗るために、石垣空港へと向かう。乗ったタクシーの運転手さんはとても話好きで、空港にたどり着くまでに、いろんな話をしてくれた。商売とはいえ、とても愛想が良く好ましい。空港にたどり着いて、早速搭乗手続きをする。今回の旅は3泊4日だけどなんと、毎日飛行機に乗るのである。波照間へのアクセスには飛行機、高速ボート、フェリーと3つの交通機関から選ぶことができるけど、高速ボートはひどいときは天井に頭を何度もぶつけるほど揺れる、ということもあり却下。フェリーで行くほど時間の余裕はない。ということで飛行機で行くことにした。

このRAC便はとてもカワイイのである。カワイイその1:19人乗りのプロペラ機である。カワイイその2:座席がバスのシートのように駱駝色の合皮でできていて簡易である。カワイイその3:搭乗券がかわっている。通常の搭乗券と違い、座席の位置が印刷されてあり、カウンターで席を決めるときに、航空会社の人が鉛筆で○をつけるのである。波照間に飛行機で行く方に、絶対に重視していただきたいのは、席選びである。波照間に行くときには絶対に「C」の席をリクエストしよう。そして波照間から帰ってくるときは「A」の席を。なぜなら、その席に座ると眼下に八重山諸島を順番に眺めることができるのだ(逆の席ではひたすら波ばかりである)。RAC便は先にも書いたが、小型のプロペラ機である(画像参照)。
そして、朝イチに波照間を往復したあとは、つづいて石垣から宮古方面に飛んだりとても働き者なのだ。逆に、八重山方面の天候が悪化すると、RAC便全て欠航になることがある。例えば、波照間から石垣に帰ってくるRAC便が天候不良で遅れると、その後の予定が大いに狂って他の空港の調整がその1機のために大変なことになるのだ。
□画像は空港でのRAC機
だから、例えば宮古方面で天候が持ち直しても、波照間で遅れると欠航になるのだ。なんとも不思議な話だけど、八重山とひとくちにいっても、広いのだ。

波照間とは、その語源は「果てのうるま」にある。うるま(珊瑚礁)の果てである。有人島では日本の最南端に位置するその島は、なんにもない島である。なんにもないけれど海と空と風と星は絶品!サイコーの島である。もちろん、その時の私はそこまでのことは予想しておらず、ただ、なんとなく興味引かれて行っただけなのだけれど。なにはともあれ波照間だ。RACだ。もちろん客室乗務員などいなくて、RAC会社の係員さんが来て、最低限の注意事項の説明をして、そのままとっとと空港に戻っていった。石垣空港の滑走路にて、RAC便は何度も飛ぶのではないかという勢いでプロペラを回転させ始めた。そしてそのたびに回転を収束させた。ひょっとしてこの飛行機ヤバイんじゃないかな?と不安になり始めたころ、パイロットの「離陸します」という言葉の後に、それほど滑走もせずに、あっさりと空に飛び立った。(つづく)

第4話=波照間「私の故郷になってください」