一日現場検証 2003/11/08
「住宅」というより、
これはもう
光の建築です

手前味噌ですが、ここ数週間、現場に行き感じた感想です。
私たちは現在、フルタイムの共働き夫婦で、家にいる時間は、
そう長い時間ではありません。
一方、休日などはわりと家中心で過ごし、ストレスがたまると
(休みが取れたら、ですが)クルマで旅に出る、ゴハンは家で
食べるし、基本的に地味な二人です。
そんな私たちが、なぜ店みたいな(基礎の段階からご近所さん
に「お店ですか」と云われた)家を建てることになったのか。
動機はCONCEPT&PLAN編を読んでいただいた通りに至ってシン
プルなのですが、こういうカタチになったのには、本人も自覚
していない本能的なものを、建築家の菅さんに見抜かれたので
は・・・という思いが段々と強くなってきました。
一時期ストレス解消に「癒し」というのものが大流行しました
が、残念ながら「癒し」だけでは私たち夫婦(少なくとも妻で
ある私)にはストレス解消にはつながらないようです。
つねに変わること、変えられることが何より安心なのですね。
「住宅」である以上、住みやすいのは最低条件ですが、それを
超えた住み手側の希望に、光の遊びという手法で応えてくれて
いる。
今回のヘッドラインは「住宅とはこうあるべき」
いう殻を破り、建築としてあらゆる可能性を模索して
くださった、建築家の菅さんへの素直な謝意です。
毎日ちがう。一日の中でも、
かなりちがう「光の階段」。


階段については、かなり期待していましたが、
カタチが出来て来るにつれ、建築家の菅さんの
思惑がここまでであったか、という驚きでいっ
ぱいです。
この写真の撮影時は工事中で、階段の色も鉄色
のままだし、工事用の照明だけど、こんな感じ
でライトアップすることになっています。
この上にはトップライトがあるので、日中の陽
の入り方、太陽の色で、白い階段はいろんな色
の演出をしてくれることでしょう。
また夜は夜で下からの光で、どんな陰影を出す
のか。階段下にメキシコの小さな木彫りのイグ
アナの置物を置こうかなーと模索中です。
ガラス用のサッシを仮でつけてもらいました。

まだ鉄色のままのファサードの鉄骨ですが、一番下で書いているように、本日、色を
決めました。白系なので太陽の光の色がきれいに映り、また日の高さにより、陰影も
一日の中で変わっていくことでしょう。
これから、この鉄骨は一旦サッシを外して白系に塗られ、サッシで仮押さえした後、
ガラスを入れてサッシのボルトを締められます。
外観的には、サッシの凹凸を除いてガラス一枚のフラットなファサードに。内部には
鉄骨の構造がむき出しのまま残されます。
一番大きな個室、浴室が出現!

間仕切り壁ができ、浴槽も取り付けられま
した。丸窓もガラスはまだ入っていません
が、取り付けられています。
浴室は外玄関を入ってすぐ。わが家でのイチ
バン大きな「個室」であります。
写真左:間仕切り壁の向こうが浴室、手前
がガレージです。丸窓が2つつき、まるで
目のようです。外玄関から入って丸窓の前を通り、内玄関から室内に入ります。
写真中(上):浴室の東(ガレージ)側の
壁を見たところ。丸窓がチャーミングです。
写真中(下):浴室の西(隣地)側を見た
ところ。コチラ側には通気窓とカウンター、
シャワーカランが取り付けられます。
写真右:住まいの奥(北)から見た様子。
向かって右が浴室、左がガレージ兼アプロー
チ、手前に内玄関の引き戸がつきます。
二階では、棟梁が黙々と作業されていました。

わが家は、ローコストでお願いしているので、サッシも棟梁の世話
になっています。棟梁はまだ若いですが、施工状態を拝見している
と、かなりの腕利きです。
写真上段:サッシを計ってカットされてます。とても丁寧に作業を
してくださっていました。間仕切りもほとんどない箱のような家な
がら、ディテールがかなり複雑。いつもありがとうございます。
写真下段(左):2階トイレに外壁がつきました。この部分だけ
建物から突出した片持ちになっているので、天と南サイドがガラス
張りになります。断熱材を入れるので、丸見えにはなりませんが、
小さいながら、光の移り変わりが面白い魅力的なトイレになりそう
です。わが家の個室は、上の浴室とこのトイレ・・・以上!
写真下段(右):トップライト。雨よけに板がかぶせられてます
がよく見ると、ガラスを入れるための準備が進んでいるようです。
間口(5m)めいっぱい開けてもらっているので、南北に長い土地
ながら、住まいの奥も、光が入ります。
写真右:時刻は15時半頃。先週来たときと1時間違うだけで、陽
の色がずいぶん変わり、壁にさす影の形も異なりました。
色を決めました。「わが家は、全身真っ白」宣言!

わが家はクロス貼りをせずに、内装仕上げはペンキ塗りが中心です。が、躯体となっている集成材、天井と
壁の構造合板、床仕上げのスギムク材、南面ファサードの鉄骨格子、2階南面のインナーテラス用のタイル
仕上げ・・・といろんな要素が複雑に絡み合っています。
計画の最初は「真っ白の箱にしよう」と思い、その後「床だけ濃い色にしようか」と思いつき、「やっぱり
白がいいや」と思い、先日イエヅクリ友のKEIちゃん家探訪の直後は「あんな色〜こんな色〜」とかなり回り
道をしましたが、色を決める締切となり「全部、白」と決断をし初志貫徹となりました。
私たちは、ラテン系の色が大好きです。オレンジとか、海の色のようなブルーとか、別に口に出して決めた
わけじゃないけれど、その辺が私たちの間ではいつもテーマカラーになっていました。
なので、住まいにもそういった色を入れようかとギリギリまで悩んだのですが、手持ちのメキシコのタペテ
(ファブリック)や、これから揃えたい色鮮やかなmarimekko(ファブリック類)を大胆に効果的に使いた
い、光の遊びを効果的に楽しみたい・・・という思いで、白で統一することにしました。
隣の写真は、奥の板が壁や天井にあたる構造合板を塗装した状態。手前の片がSOP(鉄骨に塗るペンキ)の
見本帳です。竹中色で、NT-1(クリーム系の白)、NT-21(アイボリー系の白)、NT-41(グレーがかっ
た白)が候補になり、最終的に選んだのはNT-41・・・一番クールな白にしました。