01:木曜組曲/恩田陸
女流作家を囲み、「木曜日」に集まる5人の女性達。ある「木曜日」、その作家の不審な死に立ち会うことになる。
作家の死後も集まる彼女たち。その死は事故なのか、自殺なのか、他殺なのか・・・。それぞれが何かを知っているが、
牽制をし合うように真実を語られることはない。そして4年後の「木曜日」にその均衡が破られ・・・。
カノジョが犯人なのか?誰が嘘をついて、誰が本当のことを言っているのか。真相の構築、そしてまたそれが崩れる。

恩田陸の魅力は「謎の設定」と「断片的な寓話」それらが収束に向かう「物語の過程」、そして何よりドラマや映画を越え
る、何とも言えない「空気感」。これは本を読むという行為でのみ得られる「空気感」。
クライマックスが近くなると、何度も後ろをそっと振り返りたくなったり、半分も読めないほどのスピードでストーリーを
追いかけずにはいられない展開。お見事です。
木曜組曲(徳間文庫)

著者: 恩田陸

出版社:徳間書店
ISBN:4198917590
サイズ:文庫 / 247p
発行年月: 2002年 09月
本体価格: 495円
ちなみに小麦的ベストof恩田陸は・・・(04/02/11現在)
上と外(出版社:幻冬舎)
ISBN:4344002997 サイズ:単行本 / 510p
発行年月: 2003年 02月 本体価格: 1,900円

夏休みに訪れた中米の某国でクーデターに巻き込まれ、
ヘリコプターから落ちジャングルに閉じこめられた兄妹
の冒険譚。これでもか、というほどの絶体絶命の連続!
私は文庫(1〜6巻)で2回読みましたが、是非、単行
本でも所有したい逸品です。本当に面白い!