One-Story House 2003.10.25
二棟を土間でむすぶ、
モダンな おうち。
イエヅクリ友宅探訪、第一弾は生駒に建つKEIさんご夫婦
の平屋のお宅。
ご夫婦と猫が暮らすことになる、このおうちは、ご覧の
通り一見、シンプルでモダンな印象だが、中に一歩足を
踏み入れると、心憎いばかりの演出の連続だった。
奇をてらうわけでなく、ひとつひとつ、立地での風の流
れやご夫婦のお人柄、暮らし方をまとめていった結論な
のだろうが、それにしても、あまりにもかっこよすぎる
驚きが待ち受けていた。
カッコイイといえば、施主さんである、こちらのご夫婦
は、とてもカッコイイのだ。ハツラツとしていて、こち
らが気後れしてしまうようなパワーがあるのだ。
オープンハウス当日は、たくさんの人であふれかえって
いた。その人気ぶりもまた、お二人のお人柄の良さを再
確認することになったわけです。
敷地の法面から飛び出したユニークな
デザイン。
樽の木で作った中庭の柵がポイントの
外観。
設計:庄司洋 氏
施主さんweb_siteはコチラ
パブリック、プライベート。
つなぐ土間と中庭。
最初に、対面したのは学校の下駄箱のような空間だった。
「土間」をこれほど活かした空間は初体験だったため、
一気にボルテージが上がる!
写真(手前):南棟のプライベートスペースへのエント
ランス。紅い扉が見えますが、これは対面のパブリック
棟の内玄関にも使われています。
写真(中央):対面の北棟のパブリック棟への内玄関付
近。右に曲がれば室内。まっすぐ行けば中庭。
写真(一番右):夜になるとライトアップされるという
中庭。ヤマボウシの姿も美しく。
ギャラリーみたいなリビング。
作品は、計算された灯りと光。
ただ単に、お宅訪問に行っただけなのに、なんと2時間半
ほど居座ってしまったのです。中でも長い時間過ごしたの
がここのリビング。このときはまだ使われていませんが、
ここには囲炉裏もあるのです。
墨色の天井、時間の経過と共に差す光の色で、薄墨の様相
を呈したり、ほのかに染まったり、それはもうただ座って
いるだけで飽きない空間でした。
手前の写真の奥がキッチンスペースです。
シンプルを極めた、美しさ。
色や質感の組み合わせが絶妙です。
主婦としては、一番気になるのがキッチン。
ご覧のように、強い印象を与えるのが、やわらかな光沢の
あるステンレス。キッチン本体ととても良い相性です。
独立型キッチンでありながら、天井までの空間から人の気
配が感じられるフロストガラスの仕切は、「独立型キッチ
ン派」の方の良いお手本になりそうです。
そしてこのガラスの向こうは、内玄関。ご主人が帰ってこ
られた音をキッチンにいながら気づき、「お帰り」と声を
かけられる。またご主人も帰ってきてすぐに目にはいるの
がガラス越しに漏れるキッチンの灯り・・・
あまりにも理想主義な想像ですが、これから暮らしていか
れる間に、そういったシーンが幾度となくくり返されるこ
とでしょう。にスタイリッシュなのにあたたかい。
よい設計です。
カウンターも兼ねている
背面の収納スペースの天
板。その向こうの横長窓
からは夕焼けがとてもキ
レイに見えました。収納
家具のヴェンゲもキッチ
ンの白とのコントラスト
鮮やか。お見事です。
天井高が高いため、キッ
チン上の空間を利用して
ご主人の書斎が設けられ
ています。そこを抜ける
と、ちょうど玄関土間の
上に出るのですが、屋上
のように上がることがで
きます。
縁側的廊下の南棟は、
まるで隠れ家ホテルみたい。
特筆すべきは、バスルームの美しさ。白
で統一された浴室とサニタリー。仕切の
引き戸は、施主さんこだわりのガラス貼
りで、既製品を改造して作られたとか。
写真には写っていませんが、新設のドラ
ム式洗濯機を、カウンターに収納されて
いて、こだわってます!
One Story Houseは、居室はダーク系、水マ
ワリはハイキー調といった具合の「印象の
コントラスト」の勝利!
南棟はプライベートスペース。
なんとなく、離れっぽい雰囲気
です。横長窓と、照明の美しさ
が印象的です。
清潔感いっぱいの
まっしろな浴室。
<オジャマした感想文>
いやぁ〜すっかり洗脳されて帰ってきました。配色といい、空間といい、ものすごく計算されていました。One Story Houseは、
「空間のコントラスト」が面白いと思いました。例えば、居室はダーク系・水マワリはハイキー調。パブリックスペースは天井
高を高く開放的に、プライベートスペースは天井高を控えめにすることで落ち着きを、といった具合でしょうか。
オジャマしてから1ヶ月以上経っても、未だに鮮やかな印象を残す。落ち着きのある中に華がある。2つの棟への扉の朱赤が象徴
する、品のいい空間と出会えました。